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THANN STORY

ブランドオーナー
トニー・スパトラノン インタビュー

ANAインターコンチネンタルホテル東京の6階にある『THANNサンクチュアリー SPA赤坂』。THANNブランドオーナー トニー・スパトラノンは、やわらかな微笑みであらわれた。

はじまりは自然の力を活かした
コスメティクス

トニーが『THANN』の構想をひらめいたのは、ブランドを立ち上げる以前にオーストラリアの大手食品メーカーで働いていた頃のことだという。植物由来の食品を扱っているうちに、これらの原料を化粧品にも活かせないだろうか、と思いをめぐらせるようになった。

「たとえばヨーロッパでは、オリーブオイルは料理だけでなく、石けんやクリームにも使われます。ラベンダーはハーブティーとして飲まれることもあれば、マッサージ用のエッセンシャルオイルとして使うこともある。そんなふうに、アジアの自然に育まれた植物を原料にして、コスメティクスを作ってみたいと考えるようになりました」

たとえばレモングラス、カフィルライム、オレンジ、コメヌカ油。トニーがTHANNで最初に注目した原料はどれも、タイのキッチンで昔から使われてきた食材ばかり。なじみ深い香りがもたらす安らぎも、彼はとてもよく知っていた。

「私の幼少期には、自宅へ定期的にセラピストが訪問してくれていました。たくさんのハーブを布で包んだ“ハーバルボール”をじっくりと蒸して、全身に押しあてながら、マッサージをしてくれるのです。蒸されたハーバルボールからは、エッセンシャルオイルがじわじわと染み出してきて、香りとともに心身がほぐれていくのが分かりました。いまのように街中にスパがなかった時代には、こうした自宅でのトリートメントが、タイの伝統的なハーブセラピーだったのです」

トニーの人生にずっと寄り添ってきた自然の原料から、THANNは産声をあげる。

“植物の恵み”を
さまざまなかたちに

『THANN』の名前の由来は、植物や穀物をあらわすタイ語「TANYA」。その名のとおり、すべての商品に植物由来成分の恵みがふんだんに活かされている。

「私たちは誰しも、合成成分を主として開発されているケミカルな化粧品を使ったことがあるし、それらがどれだけ効果的かつ便利なのかを知っています。でも、合成成分を長期間使い続けたときに、どんな副作用があるかはまだ立証しきれていない。だからこそTHANNは、身体にやさしい天然成分の良さを活かして、ケミカルな化粧品と比べても遜色がないくらい効果的なプロダクトをつくりたいと考えているのです」

「自然は、決して私たちを裏切らない」と、トニーは続ける。
フェイシャルスキンケアをはじめ、さまざまなプロダクトがそろう『シソコレクション』は、ブランドの代名詞。シソに含まれるビタミンA、C、Eやポリフェノール類は、とてもすぐれた抗酸化作用を発揮する一方、副作用の心配が限りなく少ないといわれている。原料のなかで息づく“植物の恵み”を、そのまま享受できるプロダクトに。THANNは綿密な研究のすえ、世界ではじめて*、化粧品にシソ葉由来成分を取り入れたブランドだ。(*THANN Oryza Co., Ltd.調べ)

豊富なプロダクトの特長をさらに引き出すため、THANNはオリジナルスパ『THANNサンクチュアリー』もプロデュースしている。プロフェッショナルなセラピストの手によって、プロダクトの数々を心ゆくまで堪能できるトリートメント。フィジカルをケアし、メンタルにも働きかけて、心身のホリスティックな調和を呼び起こす。訪れた人が心からリラックスできる施術と空間が、グローバルに展開されているという。

ブランドの哲学を体現するデザイン
ホスピタリティ

THANNのプロダクトや店舗デザインのすべては、トニーの研ぎ澄まされた感性から生まれる。

プロダクトデザインのキーフレーズは“エレガント”と“シンプル”。
「プロダクトでもっとも大切なのは、見た目ではなく中身。だけど、その魅力を伝えるためには、パッケージが大きな役割を果たします。どの年代にもどの性別にも愛用してもらえる、ミニマルなデザインがTHANNらしさです」

店舗のインテリアデザインは、誰もが安らげるように“静けさ”を表現。植物由来の素材をマテリアルに使いながら、アートとサイエンスの融合を心がけているという。 たとえば、スパTHANNサンクチュアリーには、睡蓮の根で編んだアートピース、パイナップルの繊維からつくられた紙のライトシェード、ジャスミンの花と米の絵……。さまざまなナチュラル素材のオブジェが、たくみに配置されている。

接客や施術といったホスピタリティにも、もちろん、ブランドの哲学が宿る。
「タイは“微笑みの国”と呼ばれています。大切な家族をもてなすように、お客様をおもてなしする。それがアジア流のホスピタリティです。商品を購入していただけるかどうかを問わず、THANNはすべてのお客様を、心からの笑顔でお迎えします」

スパのお出迎えには、冷たいタオルとお茶。トリートメントのあとには、季節のフルーツや(*タイにおいて。日本国内ではドライフルーツを提供)、ハーブティー。そのときどきにお客様が必要とされるものを、微笑みとともにさりげなく差し出す。タイや中国などの一部店舗には、ゲストが自由にくつろげるリラックスゾーンも設けられているという。たくさん歩いて疲れたときに、誰もがふと立ち寄れる憩いの場所だ。

世界に広がっていくTHANNの誇り

世界はいま“ひとつ”になっていこうとしている、とトニーは語る。

現代社会では、ヨーロッパでもアジアでも、人々は同じものを食べて、同じ洋服を着て、ほとんど同じスタイルで生活をしています。西洋と東洋から、自分の感性に響くものを取り入れられる。文化的な境界線がなくなってきている。選択肢に恵まれた時代に生きているともいえるでしょう。このような時代感覚を持って、THANNは世界を俯瞰しています。

THANNのインバス・アウトバスアメニティは、世界中で愛用されている。たとえば日本、アジア、ハワイをはじめ、南米や北米におよぶグローバルホテルグループ。さらには中東圏でも、航空会社の機内アメニティとして採用されている。

「THANNのプロダクトが、いつどこで誰の手に渡るか、そしてどんなふうに愛されるかは、私たちの想像の域をはるかに超えているのです。だからこそ、ブランドは誇りを持って、唯一無二の存在にならなければならないと思っています」

2004年に日本へ進出し、着々とファンを増やしてきたTHANN。親日家でもあるトニーは、こう続ける。 「日本のお客様は、品質やデザインに対する期待値がとても高いですね。他国では気づかれないような細部まで、しっかり見てくださいます。そんなこだわりをもつ日本の皆さまにも、最高のプロダクトやホスピタリティをお届けするため、私たちは努力を重ねています」

また、トニーは、自身とブランドをはぐくんだタイにも、敬意を忘れない。野生のアジア象を保護する『 Friends of the Asian Elephant』は、THANNが大切にしているチャリティ活動のひとつだ。
タイではかつて、日常生活、林業、ときには戦いの場にも、ゾウたちの力を借りていた。およそ100年前までは、国旗にもその姿が描かれていたほど。ところが時代の変化によって、人々とゾウたちとの関わりは薄れていった。野生化したゾウが山中の地雷を踏んでしまい、大きなケガをする悲しい事故もめずらしくない。怪我や病気により助けを必要とするゾウたちに、専門的な医療を施し、回復を助けるのが『Friends of the Asian Elephant』だ。
THANNはチャリティ用のギフトボックスを用意しており、その売上を100%、彼らのために寄付している*。タイにとって歴史的にとても大切なゾウたちを守ること。それは、自然を重んじるTHANNにとって、ごく当たり前な行動なのだ。(*タイでのTHANNにおいて)

“トータルウェルネス”を
ホリスティックに提案する
という新たな一歩

THANNは近年、トータルウェルネスに寄り添うブランドとして、さらなる歩みをはじめた。多くの人に上質なライフスタイルを提案するため、これまで以上に幅広いプロダクトやサービスが登場している。

たとえば、シャワージェルにさまざまな香りのラインナップがあるのは、一人ひとりの感性や好み、気分を尊重するため。同じスパに、伝統的な手技からアレンジの効いたトリートメントまでそろっているのは、その日の心身にベストな施術を提供するため。ボディやフェイシャルのケアアイテムだけでなく、いくつかのストアでは、心地よい時間を彩るためのアパレルやインテリアも扱っている*。(*タイにおいて)

そんな世界観の集大成となる、THANN初の滞在型リゾート「THANN WELLNESS DESTINATION」が2019年10月、タイ・アユタヤにオープンした。(詳しくはこちら)

「スパでは最大でも3時間ほどの滞在となりますが、私たちのホテルに来ていただければ、心ゆくまでリラックスタイムを堪能できます。ゆったりスパを受けて、身体にいい食事をして、タイの原風景を眺めながらくつろぐ。ユネスコの世界遺産にも登録されているアユタヤの近くなので、観光もできます」

最後に、ブランドを取り巻く現状と、THANNが背負う使命について尋ねた。

時代は、少しずつ変わってきています。昔のお金は、物質的な豊かさを求めるために使われていました。でもいまはもっと精神的な、内面の豊かさを得るために使われはじめています。自分の心や身体を思いやり、丁寧にケアすることの価値に、多くの人々が気づいてきているのです。 科学の発達によって、私たちは昔よりもずっと長く生きられるようになりました。だからこそ、いつまでも心身をヘルシーに保ちたい。自分が心地よい状態であればあるほど、私たちは満たされるし、周りにもその幸せやエネルギーを分け与えることができると思うのです」

自分を満たし、心身のバランスを整えて、周りとよりよく共鳴しながら生きていくことが、これからのスタンダードになるはず。そしてそのために、上質なナチュラルスキンケアやスパが、いままで以上に心強い味方になっていく。 とてもおだやかに話すトニーの姿から、私たちは確かに、THANNの源でもあるポジティブなエネルギーを受け取った。

Text: Sugawara Sakura
Photo: Aurélien De Dapper

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